鬼怒川温泉 昭和と廃墟と再生を感じる温泉宿②

鬼怒川温泉に限ったことではありませんが、温泉宿って景気に左右されやすく、利益も出しにくい業種ですから、大変だなと思います。

安いからこそ我が家も宿泊できる訳で、昔だったら絶対に泊まれなかったホテルに宿泊できるというのは、贅沢な気持ちになります。

 

さて、前回の記事でも書きましたが、鬼怒川温泉は倒産してしまったホテルが非常に多いです。

しかし見事再生したホテルも多く、町としては廃れた感じがありますが、少なくともホテル内は活気があります。

でも倒産した後に再生されることなく閉鎖されたホテルもあり、鬼怒川温泉の一番の問題は、閉鎖されたまま放置されているホテルが多い点だと思います。

閉鎖されてから10年以上経過したホテルも多く、今更買い手もいないでしょうし、取り壊して新しくホテルを建設するほどの人気でもないエリアでは、放置されたホテルをどうするか問題です。

箱根は、人気のエリアであり新規で建設されたり、建設予定のホテルがありますが、鬼怒川温泉だと厳しいです。

 

倒産したホテルをまとめてみました。

  ホテル名 旧名称 備考
1 伊東園ホテルニューさくら    鬼怒川ホテルニューさくら             京屋ホテル 伊東園ホテルズ
2 伊東園ホテル鬼怒川グリーンパレス 鬼怒川グリーンパレス 伊東園ホテルズ                 旧あさや系
3 鬼怒川ロイヤルホテル 鬼怒川ロイヤルホテル 伊東園ホテルズ
4 鬼怒川観光ホテル 鬼怒川観光ホテル別館 大江戸温泉物語                  旧岡部ホテル系
5 ホテル鬼怒川御苑 ホテル鬼怒川御苑 大江戸温泉物語
6 きぬ川ホテル三日月 鬼怒川ホテルニュー岡部 ホテル三日月                   旧岡部ホテル系
7 あさやホテル あさやホテル 産業再生機構により支援
8 鬼怒川温泉ホテル 鬼怒川温泉ホテル 産業再生機構により支援                   金谷ホテル観光系
9 鬼怒川金谷ホテル 鬼怒川金谷ホテル 産業再生機構により支援                   金谷ホテル観光系
10 鬼怒川プラザホテル 鬼怒川プラザホテル 産業再生機構により支援
11 鬼怒川グランドホテル 夢の季 鬼怒川グランドホテル 産業再生機構により支援
12 鬼怒川パークホテルズ 鬼怒川パークホテルズ  
13   鬼怒川観光ホテル 西館 閉鎖 旧岡部ホテル系
14   鬼怒川観光ホテル 東館 閉鎖 旧岡部ホテル系
15   鬼怒川第一ホテル 閉鎖 旧あさや系
16   きぬ川館本店 閉鎖 かっぱ風呂が有名

 倒産したとなるとイメージが悪いためホテル名を変更したほうが良いと個人的には思いますが、ホテル名はそのままの方がブランド価値が高いと判断した買い手側の会社が多いのだと思います。

まったく違う名前にしているのはきぬ川ホテル三日月のみで、それ以外は同じ名前です。

きぬ川ホテル三日月に名前変更したのは、ニュー岡部のままだと伊東市大江戸温泉物語が買収したホテルと同じ名前になってしまいますし、伊東のニュー岡部を買収したのだから鬼怒川のニュー岡部も大江戸温泉物語系列なのだろうと勘違いする人がいる可能性があると判断したのかもしれません。

 

ホテルニュー岡部などのCMがたくさん放送されていたのは私が小さかったころで、局のフレーズだけ覚えている感じですが、50代、60代の世代であればある意味憧れのホテルだったりもするようですし、宿泊費はすごく高かったようです。

団体客主体で宴会でどんちゃん騒ぎが定番だった温泉宿が、個人客主体になったことで人気が低迷したようですが、時代が変わったからといっても簡単に施設を変更する訳にも行きませんでしょうから、時代によって変化しなければならないというのは本当に大変だと思います。

 

今、熱海や鬼怒川の人気が復活したのは、目に見えるほど景気が良くなった訳ではないが決して景気が悪いというほどではなく、給料も実感できるほど良くなった訳ではないが微増な状況で、ちょっとくらい贅沢しようと思っている人の予算にあうためだと思います。

ホテルによりますが、1人7,000円~15,000円くらいですからね。

オフシーズンであればもっと安く宿泊できますし、更に交通費がタダ(都内近郊~ホテルまでの送迎バスが無料が多い)というのはうれしいサービスだと思います。

新宿~鬼怒川温泉で在来線で片道約2,000円、特急だと片道約4,000円ですから、往復だともう一泊出来る金額になってしまいます。

これが無料というのは大きなメリットだと思います。

 

私が若い頃にこういうホテルがあったらよかったのにと思ってしまいます。