ランドセルPart24 工房系の2極化
大切な我が子の晴れの舞台である小学校入学の大事なアイテムであるランドセル。
ランドセル商戦は過熱していると思っていましたが、ここ数年の工房系ランドセルの人気にも限りが見えてきているのかもしれません。
例年通り以上の人気だった中村鞄製作所、ランドセル工房 生田
昨年までの人気から一気に凋落した鞄工房山本
その他の工房は、例年よりもちょっと良かったり、悪かったりな感じです。
昨年の伝説的とも言えるほぼ即日完売した鞄工房山本は、9月半ばになっても在庫わずかになっていますが、まだまだ色々な種類のランドセルを選ぶことが出来ます。
昨年が異常すぎたとも言えますが、東の人気店 中村鞄製作所と西の人気店 ランドセル工房生田は、昨年よりも早く完売しました。
工房系の人気に陰りが見えてきたとは一概に言えませんが、人気の工房系ランドセル
メーカーも2極化が進んだのかもしれません。
例年以上の人気があった工房とそれ以外での違いを考えると、やっぱり価格なのかなと思ってしまいます。
定員の販売力の問題などもあるかもしれませんが、個人的な感想で言えば、鞄工房山本の店員の販売力は劣っていたと思います。
我が家が購入した黒川鞄工房も店員の販売力は駄目でした。
販売力がないというのは、知識がない訳ではなく、当然ながら売る気がないという訳ではないですが、恥ずかしい言い方をすれば”商品に対する愛がない”に尽きます。
工房系に対するイメージはひとそれぞれだと思いますが、口下手だけど実直に物作りしているイメージで、商品に対する強いこだわりがあるイメージです。
自社の商品はこの方法を貫きます的なイメージです。
その商品に対する愛が感じられない店員が多く、単にこのメーカーのこれがダメだとかばかりな感じでした。
うちはここにこだわっています的なアピールをしてほしいものです。
さて、2極化の一番の問題だと感じている価格ですが、これも工房系を選ぶ大きな理由だと思います。
選んで失敗がないランドセルを買おうと思えばデパートに行ってランドセルを選ぶのが間違いないと思います。
プロが長年の知識と経験をもとに自社仕様で工房系に製作させていますので、基本的に間違いはありませんが、仮に間違えがあってもデパートの責任で対応してくれます。
工房系というのは、元々は独自で販売していたり、デパートに納入していたりさまざまですが、同じ品質のランドセルでも1万円くらい安く買えるメリットがあります。
デパートに行くと小さく工房系メーカーの名前が書いてあったりしますし、デザインに特徴がある工房系のランドセルであれば見てすぐに、わかったりします。
工房系の場合、数年前は、牛革や人工皮革のタイプですと4万円台~5万円台でした。
イオンやニトリなど大手量販店のランドセルは3万円台からランドセルがありますが、3万円台のランドセルは見劣りしますし、どれでもいいと思う人を除けば4万円~5万円台で選ぶことになりますので、工房系と同じような価格帯となります。
おなじような価格であれば、デパートに納入している工房系のランドセルの方がお得感があります。
それにイオンで買ったというよりは、工房の○○鞄で買ったという方が何となく子供のためにこだわったのかなって感じがあります。
数年前はそんな状況から、最近では、3万円ランドセルの性能が良くなってきている点と、年末、年度末になればセールでもっと上のランクのランドセルが3万円以下で買えるため、焦る必要がなくなっている点と何と言ってもここ数年の工房系ブームにより値上げしすぎている点にあると思います。
材料費の高騰などあると思いますので値上げも仕方ないと思いますが、値上げしても人気は衰えなかったことをいい事に毎年のようにどんどん値上げしたことによる顧客離れが進んだと思います。
この2~3年で1万円アップは普通で、それ以上の値上げも珍しくありません。
大手量販店のランドセル+αで購入できた工房系ランドセルですが、今では価格差は2倍近くなっています。
工房系のランドセルは6万~7万円が主流になっていますし、そうなると割高感がありますし、ランドセル選びにこだわっている人は工房系を選ぶでしょうが、そこまでこだわらない人は大手量販店のランドセルをセールで買おうと思うはずです。
そんな中で今年も人気だった中村鞄製作所などは他の工房系よりも割安感がありましたので、人気が衰える事はなかったのかと思っています。
工房系の中でも一番割りを食っていると思われるのが、牛革でしょう。
このブログでも何度も書いていますが、我が家は最初はコードバンを考えていましたが、あまりにも重くて子供が背負えないことと価格面で諦めて牛革のランドセルで選びましたが、牛革のランドセルは、全般的に売れていません。
色々な店員さんに聞きましたが、聞けば聞くほど人工皮革の方が素晴らしいと言わざるを得ません。
価格が安くて、デザインも豊富、そして軽い
良い事ばかりで、唯一の欠点と言えば、人工皮革は安っぽいイメージがある点くらいでしょうか。実際我が家は安っぽいイメージが拭えきれず牛革を選びました。
ランドセルはおじいちゃんおばあちゃんに買ってもらうことが多く、そうなるとおじいちゃんおばあちゃんの見栄のみせどころになりますので、コードバンを選ぶのだと思います。
孫のランドセルを買おうとする世代はランドセル10万円くらいが相場でしたから、そのくらいは覚悟している感じあるように思えます。
コードバンの場合は、商品数も少ないですから完売になりやすい商品とも言えます。
自分たちで買おうとする場合は、価格重視となりますから、最初は牛革が良いと思っていた人も実際に触れてみるとむしろ違いが良く分からないですし、6年間平気であれば価格の安い人工皮革を選ぶ傾向にあるのだと思います。
実際、工房系行って店員さんに聞くと分かりますが、圧倒的に人工皮革の商品が売れ筋ですと言われます。
我が家も悩んだんですけど、牛革にしたかったんです。
あくまでランドセル業界とは無縁の人間が勝手に感じたことをえらそうに書きましたが、9月になってこんなに売れ残りがあると、会社としても厳しいでしょうね。
ある意味ブームに乗って値上げを繰り返し、顧客目線を忘れた工房系メーカーには良い薬になって、再生して欲しいものです。