ランドセルPart34 大手で採用されている機能が絶対ではない

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メーカー 立上り背カン 安全ナスカン
セイバン 天使のはね
ハシモト フィットちゃん
協和 ふわりぃ

 

工房系と大手のランドセル会社の違いは、会社の規模です。

大手であれば、長年の経験から最適な性能を持ったランドセルを開発しているのだろうというイメージがあります。

だからこそ大手を選ぶ価値があり、そのイメージを維持すべき努力をしていると思います。

大手の商品を選べば失敗はないと思いますし、大手で採用している機能=優れた良いものだと思われますが必ずしも大手の機能が絶対だとは言えないと思います。

 

上の表を見ての通りランドセルにおける大手企業の3社はいずれも立ち上がり背カンと安全ナスカンを採用しています。

立ち上がり背カンと安全ナスカンはこのブログでも何度も書いていますので今更書くことはしませんが、検索すればすぐに出てきます。

 立ち上がり背カンに関しては、この機能は絶対に必要な機能であると思われがちですが、必ずしもそうではないです。

大手の公式HPの比較画像をみると隙間がなくなることで軽く感じることが出来るとアピールされていますが、そもそもこの比較画像の背負い方に悪意があると思います。

肩ベルトをしっかり止めていれば隙間はなくなります。

購入当初は皮革が硬い場合がありますので、最初は違和感があるかもしれませんが、すぐに馴染んできますので、違和感はなくなると思います。

上の画像のような従来品のようなランドセルがあんなに高く持ち上がることなんてありません。

むしろ肩よりもさがる場合が多く、何故フィットちゃんの従来品はあれほどまでに高くあがるのか不思議であり、むしろ材質の悪いもの(硬すぎる皮革を使用していたのでは)を使用していたのではないかと思ってしまうほどです。

メーカー 立上り背カン 安全ナスカン
中村鞄製作所 × ×
土屋鞄製造所 × ×
鞄工房 山本 ×
鞄工房 山本(高島屋コラボ) ×
黒川鞄工房 ×
ランドセル工房 生田 × ×
大峡製鞄 × ×
大峡製鞄(三越コラボ) ×
萬勇鞄 ×
村瀬鞄行 × ○

上の表は、主要な工房系のランドセル会社の状況です。

工房系は、デパート経由での販売を主体にしている会社も多く、一番最後の村瀬鞄行は、デパート主体です。

村瀬鞄行の安全ナスカンが×と○の両方記載しているのは、ほとんどが安全ナスカンですが、大丸松坂屋向けのコードバンなどは安全ナスカンではありません。

 

立ち上がり背カンは、採用していない工房系が多く、デパート向けのみ採用している場合が案外多いです。

一番顕著なのが鞄工房山本で、自社製品と高島屋での販売商品で逆になっています。

何故、立ち上がり背カンを自社商品で採用しないのか?

何故、高島屋での販売では安全ナスカンをやめたのか?

これを私は昨年鞄工房山本の店員に聞きましたが、そもそも高島屋に卸していることさえしりませんでした。

 

立ち上がり背カンを大手は全社が採用しているのに工房系は採用していないのか?

サイトによっては、対応が遅いとしていますが、決してそういうわけではなく理由があります。

立ち上がり背カンがあることによって大きなデメリットになる訳ではありませんが、無理に立ち上げているため違和感を感じるわが子のようなケースもありますし、先にも書いたとおり肩ベルトをちゃんと調整すれば解決する問題ですので、あってもなくてもよいと言えます。

 


安全ナスカンについては先日書いたばかりなので、興味があれば読んでいただきたいと思いますが、これに関してはあったほうが安全ではありますが課題が多いという問題があります。

ナスカンを使わないほうが一番良いというのが実際のところ結論だと思います。

安全ナスカンだからと言って使ってしまうことで、その効果をちゃんと発揮できるか疑問であり、ユーザーはそこまで理解できていない部品だからこそ過信するリスクがありますので、 使わない方がよいです。

 

工房系のランドセルを選ぶと、以上のような大手と性能が違う場合があります。

それに対して、あらかじめ確認していれば、納得できているため、もし仮に指摘されてもなんら不安になることはありませんが、例えば、見た目だけで工房系ランドセルを即決して買ってしまったAさんが、大手のランドセル購入したBさんに「立ち上がり背カンはTVCMでもやってるとおり、採用しているのが当たり前」と言われたらどうでしょうか?

せっかく気に入って工房系ランドセルを買ったAさんは買ったランドセルが立ち上がり背カンがなかったらさぞかしがっかりすることでしょう。

工房系は職人の手作りでしっかり作っているかもしれないが、安全や機能面で劣っているのではないか?

大事なわが子にそんなランドセルを買ってしまったことに罪悪感を持ってしまうかもしれません。

しかしながら、工房系も機能面・安全面では常に改善されており、軽視している工房など皆無と言ってよいと思います。

 

えらそうなこと書いていますが、我が家が選んだランドセルは、工房系では珍しい立ち上がり背カンを採用している黒川鞄工房ですが、ランドセル選びで回った中で全ての立ち上がり背カンのランドセルが肩が痛いと言って嫌がっていました。

それなのに夫婦で黒川鞄工房のランドセルが気に入って買ってしまうという娘のランドセル選びなのに自分の好みという最低な選択を後悔しつつ、今月から小学校ですが、肩が痛いとは言わず、気にならなくなったらしくほっとしている次第です。

 

大手と工房を比べれば大手のやっていることが正解だろうと思いがちですが、決してそうとは限らないと個人的には思っており、どうしても大手を賞賛するサイトが多いですが、工房だって劣っているとは思えません。

CMや大々的な宣伝をしなくても口コミなど宣伝以外の手段で工房を知り、そして選ぶ人はいるわけであり、だからこそ長年続けてこれたのでしょうし、厳しい要求の多いデパートにも卸している工房もあり、トレンドという観点も十分に取り入れていると思います。