ランドセルPart32 たかがナスカン されどナスカン

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一般的にランドセルの右側に付いているフックがナスカンです。

ちょっとした荷物をひっかけることができるため重宝しますが、どうしてもブラブラしてしまうため、周りの人の迷惑になったり、すれ違いざまにひっかけてしまう恐れがあるため学校によっては全面的に使用禁止という市町村もあります。

 

このナスカンに関しては大きく2つに分かれており、①ある程度の負荷がかかると外れるタイプと②外れないタイプの2つです。

外れるようになっているのは先に書いた通り安全を考慮したためです。

外れるタイプのメリットは安全である点ですが、デメリットがあります。

①外れるようにするために付け根部分がプラスチックになる(デザイン性が劣ってしまう)

②外れるタイプだとしても一般的には下にかかる負荷に対しては有効だが、左右や斜め上に対する負荷には効果が低いタイプがある点です。

③外れるタイプの多くの場合、一度外れると強度が低くなり外れやすくなってしまう

④一度外れると③の強度不足により交換が必要となるが、交換するには全て取り外す必要があり簡単に取り外すことが困難

などがあげられます。

セイバンやフィットちゃんなどの大手は、外れるタイプを採用しておりますが、工房系は採用していない工房のほうが断然多いです。

理由としては、デザイン性が悪くなる点と想定した通りの方向に負荷がかかるとは限らない点となおすのが大変という先に書いたデメリット①~④全てが理由となります。

 

後ろにまで気を遣うことは実質不可能ですから、そもそも使うことを禁止すべきだと思います。

子供が荷物を何かにひっかけてしまう危険性よりも荷物がふらふらすることによる相手への凶器となってしまうことのほうが危険性が高いです。

硬い荷物をナスカンにひっかけることは稀かもしれませんが、衣類などの柔らかいものであってもそれ自体はぶつかってもそれほど痛くないでしょうが、荷物がふらふらしているのを避けようとして他にぶつかってしまったり道路に飛び出してしまう可能性のほうが高いと思います。

 

そんな中で鞄工房山本は、安全ナスカンを採用している工房です。


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何故安全ナスカンにこだわるのかが書かれております。

例えデザイン性が劣ったとしても安全第一という方針は賞賛すべき点ですし、更に何度も使えることを想定してシリコンを使うのも素晴らしいです。

工房系らしいぶれない方針と称賛したいところではありますが、1つ問題があります。

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鞄工房山本は高島屋(正式には髙島屋)でも販売しています。

デパート系での販売では、立ち上がり背カン(天使の羽根とかウイング背カンとか呼ばれる肩ベルトが上向きになっているタイプ)は標準仕様としている場合が多く、これに関しては個人的にはあってもなくてもある程度使っていれば皮が馴染んで背中にフィットして背負うことが出来ますのでどちらでもよいと思っていますが、ナスカンに関しては、安全ナスカンを求めるデパートとそうではないデパートがあり、高島屋ナスカンに関してはどちらでもよい方針のようです。

なので、鞄工房山本としては、ナスカンを何故変えてしまったのか疑問です。

折角明確な方針があってデパートも強制ではないのに変えたのか不思議です。

安全性について公式HPで書かれている訳ですからせめて安全ナスカンにすべきではなかったのかと思います。

 

圧倒的なデザイン性があって、同じコバ塗りのランドセル工房 生田に劣るとも思えませんし、一昨年までは発売日に即完売するほどで幻のランドセルとまで言われていたのに一昨年の肩ベルトのソフト牛革を使用していると明記しているのに実は人工皮革だった事件(そこまで言うのは大げさかも。 詳しく知りたい方は、鞄工房山本 肩ベルトなどで検索すると、もっと詳しく当時の状況を書いているサイトが見つかると思います。私は以前公式HPの告知をリンクしていましたが、公式HP上で告知が削除されていました)

こういうことがあったり、店員さんの知識が全然なかったり・・・

最初の印象は断トツで、我が家もここしかないと思って、むしろ心配なのは本当に買えるのか?という点でしたが、知れば知るほど熱がさめてしまうことが多く結局我が家は黒川鞄工房にしたのですが、デザインが素晴らしいだけに本当にこういう点が残念な気がします。