熱海が再生した本当の理由とは

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家族旅行だったり仕事で熱海行くのですが、最近、”熱海が再生した”って話題になってるらしいです。

 再生に向けて行政を動かしていくのはすごい努力だなと思ったりもするのですが、個人的には、元々熱海には観光地としてのポテンシャルがあり、良くも悪くも昭和を代表する熱海が、何も対策できずに不況によって淘汰され、新しい経営者が登場したことによって本来の姿に戻ったということだと思います。

 

私の親世代の新婚旅行の人気スポットであり、会社の慰安旅行の場所ってイメージです。

東京から約1時間の立地で、温泉も豊富、昔は個人で宿泊するには高いイメージでしたが、伊東園ホテルズ大江戸温泉物語などの一人1万円以下で泊まれる宿が増えたことで、今まで高いと思われていた熱海が手軽な場所になったことで観光客が増えたのだと思います。

熱海地域で、ホテル探しをすると、高級ホテルから格安ホテルまで選択肢は多く、高級ホテルは、高級であることを納得させられる景色、施設、料理があり、中級、格安ホテルであっても金額以上の価値があるホテルが多くあり、熱海のポテンシャルの高さを感じさせます。

 

古くから関東地区の観光地として圧倒的な知名度を誇り、衰退したと言っても根強い人気の地域であることは、衰退したときもマンションや別荘としての人気はそれほど衰えてはいなかったことからも容易に推測されます。

 

熱海の問題は、熱海というポテンシャルに奢った経営者によるホテル経営と商店街店主たちによるものだと思います。

横柄なみやげ物屋とか結構ありましたから、淘汰されるべくして淘汰されたのだと思います。

淘汰されるまで衰退しなければ、既存の経営者では、色々なしがらみもあるでしょうし、思い切った経営が出来ないのだと思います。

 

若者がおしゃれなカフェ作ったり、コワーキングスペース作ったから熱海が再生されたのではなく、伊東園ホテルズ大江戸温泉物語などが熱海のポテンシャルを感じて買収して再構築したり、既存のホテル経営者も経営を見直すことで、熱海が見直され、景気も多少よくなったことで、海外は無理だけど、国内旅行なら・・・という中で選ばれるようになったからこそ熱海の人気が復活したのだと思います。

 

個人的には、伊東園ホテルズが転機になったのではないかと思っています。

2010年度時点で、熱海ニューフジヤホテル、熱海金城館、ウオミサキホテル、伊東園ホテル 熱海館、アタミシーズンホテル、ホテル大野屋を運営しています。

どこかの関係者のブログで、すでに熱海のホテルでは20%のシェアを持っていると書いてありましたし、1990年代末ごろから時代の流れに取り残されて、どうにもならなかった熱海の大規模ホテルが、続々と倒産し、2010年以降も倒産するホテルがあるなかで、伊東園ホテルズが買収したり、大江戸温泉物語が南明ホテルを買収し、熱海温泉あたみとしてオープンしています。

既存のホテルを居抜きでそのまま使うスタイルの伊東園ホテルズが熱海のホテルを買収したことで1泊1万円以下という破格の安さで泊まれるホテルが登場し、豪華バイキングもついているなど信じられない程のコスパ最高なホテルが登場した事で、熱海が盛り上がったのだと思います。

 

熱海に来たことで、観光客も”やっぱり熱海っていいな”って思うようになり、熱海だったらまた来てもいいなって、思う人が増えたのだと思います。

 

駅前の商店街には、しゃれた店も増えて一時期のシャッター街からすると見違えるほどで、そこに関しては頑張ったのだと思いますが、はっきり言えば、ホテル運営各社の本当の大人が頑張ったことで、熱海に来る人が増えて、人が増えたからシャッター街だった商店街が復活したのだと思います。

 

オシャレな店とコワーキングスペースなど作ったって書かれていましたが、正直そんな対策は良くある話しで、特にオシャレな店とか温泉街とか、廃れた地方都市に出張とかで行くと本当に良く見かけます。

完全に場違いな感じでぽつんとオシャレ風なカフェとかあったりしますが、ほとんどが閉店してしまいます。

オシャレな店とかコワーキングスペースとか本当によくある案ですから、それを地震満々に話すのはどうなの?って思ってしまいます。

 

確かに熱海の第一印象は駅周辺ですから、駅降りると人が多くて、活気を感じるのは素晴らしいことですが、実際は駅周辺しかいくところがないから人が多いということだと思います。

 

伊東とか伊豆エリアはどこもそうですが、ホテル出ても行く場所がないです。

ホテルから出るとさびれた商店街しかなく、観光気分が台無しになってしまうため、ホテルから出ないほうがむしろ良いとも言えます。

熱海は、まだ行く場所があるだけ良いのかもしれませんが、1回行けば十分ですから、熱海に何度も行きたいと思わせる場所がありません。

 

折角の温泉旅行なのだから、あちこち行って楽しもうなんて意識がすでにナンセンスなのかもしれません。日頃の忙しい毎日を忘れてホテル内又はホテル周辺だけを移動場所として決めてゆっくりと過ごすのが大人の温泉旅行の楽しみなのかもしれません。

 

復活しつつある今の時期にこそ、本当の再生に向けてやるべき課題はたくさんあると思います。

やはり一番の課題は道路状況だと思います。

地理的に仕方ないのかも知れませんが、渋滞がひどいです。

渋滞緩和が解消されないと熱海は避けられると思います。

むしろ、すでに熱海に旅行した人増えたことによって、次も熱海に行きたいと思う人がどれほどいるのか疑問です。

定宿にしている人もいると思うので、そういう方は毎年のように熱海に行くと思いますが、多くの人は熱海一度行ったから当分いいかなと思う人が多いのではないかと思います。

我が家の場合は、車移動なので電車移動の方とは違うと思いますが、熱海は近くて便利ですが、熱海駅周辺にいこうとは思いません。

熱海にある大江戸温泉物語の水葉亭は行きたいと思っているので、数年のうちにいくとは思いますが、そこに行ったら本当に当分は熱海いいかなと思っています。

 

熱海の再生として一番違和感があるのが、いわゆる温泉街の再生としては、観光客が増えたことが一番の再生なのだと思いますが、コワーキングスペースって観光客増にほとんど影響ないと思いますし、オシャレなカフェは、汚い喫茶店よりもオシャレなカフェの方が良いですが、オシャレなカフェなんて都心部ではたくさんあります。

熱海に行く予定があって、だったらこのカフェに行こうと思う人はいると思いますが、このカフェに行くために約1時間かけて熱海に行く人がどれほどいくのか疑問です。

 

何度も書いてますが、ホテル経営者などの大人ががんばったことによって、観光客が増えて、それにより商店街を利用する観光客が増えて、それを商機と感じた人が増えて、シャッター街の商店街が復活したのだと思います。

若者発で熱海が再生したとは私としては思えません。

 

本当に熱海のために頑張っている大人は、手柄独り占めみたいな若者がいても何も言わないんでしょうね。

手柄を独り占めしようがしまいが、自分の店が繁盛すればそれでよいのでしょうし、話題のひとつにでもなったほうが、熱海に行こうと思う人が増えるから良いことだと思ってるのかもしれません。 

別に私は熱海にゆかりもなくあくまで一人の観光客でしかありませんが、熱海の人気に対して、もっと評価すべき人いっぱいいるのではないかと思ってしまいます。