アパホテル 人気があるけど人気がないホテル

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ビジネスホテルとして驚異の利益率30%超えを維持し続けているアパホテルですが、利益率が30%超えしているというのは、稼働率が高く、更に言えば客室単価も周辺ホテルよりも高いということになります。

 

そうなるとアパホテルは日本一人気があるビジネスホテルチェーンと言って過言ではないと思いますが、私の周辺でアパホテルが好きな人はいません。

出張に行くエリアにアパホテルがあるため利用しているという知人はいますが、目的はキャッシュバックであり、これがなければアパホテルは利用しないと言ってたりしますので決してアパホテルが好きで利用しているという訳ではありません。

 

アパホテルに不満を持つ人の多くの不満要因が、部屋の狭さです。

アパホテルは一般的なビジネスホテルの客室がシングルの場合12~15㎡ですが、アパホテルは9㎡です。

9㎡は本当に狭いです。

部屋内を歩くスペースはなく、9㎡だとシングルサイズのベッドであれば狭いながらでも歩くスペースが出来ますが、狭いスペース作るのであれば広いベッドの方が良いだろうと会社として考えているのだと思いますが、歩くスペースを犠牲にしてセミダブルなどのベッドを置いています。

むしろお風呂に入る以外の時間はテレビ見るのもスマホなど見るのも、寝るのもすべてベッドで過ごせばよいとアパホテルは考えているのだと思います。

どうせベッドで過ごすのだから他の部分は最低限にして部屋の広さは9㎡あれば十分だろうという方針なのだと思います。

ちなみにアパホテルはダブルも9㎡のホテルも多く、カップルや不倫相手とアパホテル利用する人は、2人で9㎡でもずっとベッドであれこれしているだろうから9㎡で十分だろうということだと思います。

9㎡で男一人だったら、まだいいかなと思いますが女性が一人で使うとしても女性には狭すぎるのではないかと思います。

 

一人ですら狭いのに2人なんて・・・って思ってしまいますが、9㎡がアパホテルにとっては標準的で、他のホテルに比べて断然狭いので不満が多いのだと思います。

 

狭くても安ければ、それは仕方ないかなと思いますが、狭い割に価格が高いことが不満が増大している理由だと思います。

需要があると思えば容赦なく値上がりします。

イベントなどの特定な時であれば、それは仕方ないと諦めますが、強気な価格になる場合が多く、1泊3万円にまで値上がりすることも多かったりします。

 

こんなホテルが人気があるわけではないと思ってしまいますが、圧倒的な利益率は人気がある証拠であり、数字はうそをつきません。

アパホテルへの不満はありますが、アパホテルの魅力は、457室(2019年6月18日時点 公式HPより)という店舗の多さでしょう。

都区内だけで67店舗もあり、都内をはじめ大都市は観光客も多く、最近は工事関係者の宿泊利用も多いらしいので、高めの設定でも予約が入るようです。

高くて不満を持つ人も沢山いますが、アパホテルがなければ宿泊に困る人も多く、高くて嫌なら他のホテルを探すという選択肢もあるなかで、アパホテルを選ぶのは、高くても狭くても綺麗なホテルだからという理由もあるでしょうし、宿泊したい場所にアパホテルしかないというのはそこの立地を選んだアパホテルの戦略が正しいことの裏付けでしょう。

 

ビジネスホテルの場合、部屋の広さが狭いためオフィスビルや商業施設には狭すぎる土地でもビジネスホテルとしては十分な広さとなることも多く、半端な土地がビジネスホテルになることが案外多いです。

ビジネスホテルの場合、部屋と通路、エレベータのスペースがあればいいわけですし、アパホテルの場合は部屋は9㎡で、通路の広さは1m程度でしょうから5mくらいの幅さえあればあとは奥行き次第で、何部屋作れるかになりますので、普通であれば駐車場にしかならないような土地でもビジネスホテルを建設することが可能になります。

どこかのインタビューで狭い土地でもホテルを建設するノウハウがあると語っていましたが、本当にあるのであれば聞いてみたいものです。

先に書いた通りパッケージ化された部屋と通路とエレベーターさえあればいいのがビジネスホテルであり、建設に関するノウハウは特にあるとは思えません。

スペースについてもそう。よく「アパホテルは客室が狭い」と言われるが、狭いのではなく、あえてコンパクトに設計して、必要な機能を集中させているのだ。私たちは「スペース」を売るホテルではなく「満足」を売るホテルなのだ。そして、「満足」と「コスト削減」を両立させるような工夫を、いたるところで行っている。 例えば、客室内の必要なスイッチはすべて枕元にあり、ベッドに寝たままで操作できる。外の熱の出入りを少なくするために窓のカーテンは遮熱・断熱素材を採用。必要以上にエアコンを使うこともない。浴槽は卵型でゆったり入れるが、湯量は通常の約80%で済む。シャワーには空気を混ぜ、湯量が少なくてもパワーを十分に感じられる工夫もしている。

 このような緻密な計算に基づき、徹底的に効率性と利便性を追求するのが、私たちのやり方なのだ。その結果、経常利益率約3割という、ホテル業界では断トツに高い水準を維持している

アパホテルの社長のインタビューでいつも違和感を感じるのが、ホテルのコスト削減を自慢することです。

通常客商売において客がメリットとなることを話すことが一般的なのに自分たちの利益が何故高いのか、どこで削減しているのかを自慢していることに嫌悪感を感じるほどです。

例えば何故こんな安く宿泊できるのかということに対して、これだけ企業努力しているから安く提供できるということであればいいのですが、そういう理由ではなくあくまでも自分たちの為のメリットを自慢する意識はおごりではないかと思ってしまいます。

部屋が狭いという客からの不満に対してスペースは関係ないと言ってしまう点、どこでもやっているようなことでも自社にノウハウがあると言ってしまう点など、傲慢さしか感じられません。

アパホテルにあるノウハウは、特にあるとは思えませんし、記事で話していることも大したことは言っていません。

 

でも利益率は30%以上という事実は間違いなく、人気があるホテルと言えますが、利益率が他の大手よりも高い理由に、自社で土地を仕入れて自社で建設し自社で運営している点でしょう。

東横インスーパーホテルなど(自社の土地のホテルもあるかもしれませんが多くは)は土地と建物は、地主の所有物であり運営を東横インが行うスタイルであり、その分利益率は落ちます。

アパホテルのような自社ですべてを行う会社もありますが、ホテル専業である程度の規模を持つ会社で決算を公表している会社も少なく、実際他の会社は利益率はどの程度かはよく分かりませんが、アパホテルほど自社の利益にどんよくな会社はなかなかありませんので、アパホテルほど利益率が高い会社はないかもしれません。