鍵付防音個室化でネットカフェの規制が厳しくなるのでは②

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前回の記事で、ネットカフェと風営法に関してあれこれ書きましたが、長くなりすぎて2回に分けることにしました。

簡単にまとめると、風営法に該当すると立地の制限や24時間営業が出来ませんので、ネットカフェとしては絶対に風営法を避けたいのが本音で、ネットカフェは風営法の接待飲食等営業の3号営業に該当してしまうため、この定義が

「3号営業:区画席飲食店。他から見通すことが困難で広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの」

となっていますので、広さは仕方ないので「他から見通すことが困難」に該当しないように見通しを良くするためにスライドドアにして天井は空けることで個室タイプでありながら個室ではないスペースを作ることで風営法を回避しました。

 

ネットカフェに近い業態として、個室ビデオ店というのがありますが、簡単に言ってしまえばアダルトDVDや雑誌が沢山おいてあるネットカフェみたいな場所で、アダルト系が中心の為、基本的に男性しか利用しません。

この個室ビデオ店ですが、これは風営法性風俗関連特殊営業の3号営業に該当します。

でもネットカフェと同様に該当すると立地の制限や24時間営業できませんので、個室ビデオ店としても風営法に該当しないようにする必要があります。

定義としては、

「専ら、性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行その他の善良の風俗又は少年の健全な育成に与える影響が著しい興行の用に供する興行場として政令で定めるものを経営する営業」

となっており、この「専ら」が7割~8割以上のことを意味しているため、アダルト系の商品を7割未満にしてしまえば「専ら」に該当しませんので、風営法を回避できます。

で、個室ビデオ店大手の金太郎・花太郎グループや宝島24は、両社とも風営法の適用範囲外で営業していますよとはっきり書いています。

 

で、何故ネットカフェの鍵付き防音個室の話しに対して、個室ビデオ店の話しを出しているかというと、鍵付き防音個室というのは、元々個室ビデオ店で一般的に使われていて、ネットカフェは、個室ビデオ店化することで、鍵付き防音個室に移行していると言えます。

先に書いた通り、今まではネットカフェが該当されるとしてきた接待飲食等営業の3号営業の適用範囲外になるようにしてきましたが、個室ビデオ店と同じ性風俗関連特殊営業の3号営業の適用範囲外になるようにして今までタブーとされてきた鍵付きで個室を達成したと言えます。

簡単に言ってしまえば、今までネットカフェとして見通しよくしないといけないとか言われて従っていたけど、似たような業態の個室ビデオはネットカフェとは風営法の該当内容が違っているというだけで、ネットカフェ悲願の鍵付き個室を実現しているなんておかしいでしょう。

だからこっち(ネットカフェ)も個室ビデオ店ベースの店として出店しつつ、風営法は適用範囲外にして営業するから、鍵付き防音個室にしても全く問題ないよね?

って感じでしょうか。

 

で、こうなると個室ビデオ店(個室ビデオ店は風営法にちゃんと書かれている業態ですが、先にも書いた通りほとんどの店が風営法の適用範囲外なので、正確には自称個室ビデオ店とでも呼ぶべきか本当に面倒ですが)とネットカフェの境界線がなくなるということを意味していると思います。

アダルト系DVDなどを7割以下に抑えるなんてことはネットカフェにとっては基準でもなんでもありませんので、ある意味健全化された個室ビデオ店としてのネットカフェとなりますが、これが許されるのであれば今まで何だったのか・・・

と言わざるを得ませんが、鍵付き防音個室化はここ数年ですが、大手以外では以前からやっていました。(大手の別業態だったりするので大手もやっていたことになりますけど)

ネットカフェのマンボーは主に関東で展開しているチェーン店ですが、インターネットカフェ・まんが喫茶マンボーを主体にマンボープラスとネットルームは個室型でネットルームは防音個室となっています。

このマンボーの親会社が新宿ソフトという会社で、一度風俗営業で逮捕されて今は解体されたとも言われていますが、個室ビデオ店大手の金太郎・花太郎グループと宝島24は、同じ系列です。新宿ソフトは、3月18日から白鳳ビルという会社に変更したようです。

同じ系列ですから鍵付き防音個室のノウハウはすでに持っていたということになると思います。

そして、横浜にある「俺の部屋」と池袋、渋谷、京都にある「Hailey'5café(ハイリーファイブカフェ)」、柏、大船の「CLUTCH」は、「漫画喫茶ゲラゲラ」と同じ会社(ソーエキサイト社)です。

さらに言えば「ホットヨガスタジオLAVA」も同じグループ会社です。

ベンチャーバンク」という会社が親会社になるようです。

「俺の部屋」は横浜にしか店がありませんが、「漫画喫茶ゲラゲラ」→「house U」→「俺の部屋」に変わったようですが、もとは同じ会社だったみたいで、「俺の部屋」となってようやく人気店となっているようです。

「俺の部屋」が1店舗で「Hailey'5café(ハイリーファイブカフェ)」が3店舗であり、「CLUTCH」が2店舗ですが、ゲラゲラに次いでオープンした「俺の部屋」は1店舗のままであり、実はあまり人気がないとか・・・

実際、ネットでの評判は良くない感じですし、あれだけカップル部屋ばかりだと、実は・・・って思ってしまいますので、どうなのでしょう。

 

で、ここからが本題で、鍵付き防音個室がこのままネットカフェの標準になってきたら、当然考えられるのが、カップルによる〇〇な行為に及ぶ可能性です。

今までのネットカフェであれば天井は空いていますし、床も少し空いていたりしますので、声が出ればすぐばれますから行為に及ぶのはかなりの強者でしょう。

でも防音個室なら・・・と思う人もいるでしょうし、実際、テレビの音に関しては、ネットカフェの会社によって防音性能は変わると思いますが、音量高いなと思うレベルでも外に出たら音は聞こえませんでした。

声多少我慢すれば・・・と思えます。

そうなると、1人席以外ダメとかになるか、公序良俗に反しているとして、規制が強化される可能性が高いでしょう。

 

そういうことをするカップルが悪いわけですが、若ければお金もなく、手軽に行けて安くて、更に声は漏れないとなれば、そういう設備を提供しているネットカフェ側の問題というのもあると思います。

今までは、一部のネットカフェが鍵付き防音個室のサービスをしていましたが、大手の快活CLUBや自遊空間が参入したら、この勢いは止まらない事でしょう。

こういうのって事件があって改正されたりするものですが、事件化して普通に使っている私を含めた大多数が迷惑をこうむる結果になったら嫌だなと思ったりします。